日々ビジネスに邁進し、目標に向かって突き進む中で、体や心に余計なブロックがあるなんて思ってもみないかも知れません。特に「自分はマインドブロックなんてない」と自信を持っている方にとっては、何の障害もなく順調に進んでいると思っている方も多いはずです。
でも、少し立ち止まってみてください。
ふとした日常の中で、例えば「ガニ股歩き」をしていることはありませんか?
実は、この姿勢の裏側に、自分では気づかない深い心のブロックが隠れていることがあります。今回は、このガニ股とマインドブロックの関係を紐解き、自分自身の成長に向けて新たな視点を提供していきます。
ガニ股歩きはマインドブロックの現れ?!
では、まずはご自分の靴の裏側を確認することから始めてみましょう。
前側や外側ばかりすり減っていませんか?
歩くとき、ガニ股が気になったりしませんか?
膝や股関節に違和感を感じていませんか?
実は、男性だけでなく女性でも重心が前側や外側に偏ったり、ガニ股になってしまう方は歩く際に脚が前ではなく斜めに出てしまっていることが多いものです。
この状態をよく観察してみると、気持ちとしては前進したいのですが、足は必ずしも前に進んではおらず前進するには効率の悪い斜め方向に出ています。つまりこの状態も身体とココロが乖離して考えられますので、心身は統合されていない状態だと考えることができます。
このようにガニ股という姿勢からは、気持ちの上では前に一生懸命に進もうとしているのに労力に見合ったようには前に進めず足掻いている姿が浮かび上がってきます。良かれと思ってやったことが相手には異なるように受け取られてしまったり、自分ではそのつもりはないのに一つの考えに固執してしまったり。そういうことが起こりやすいのです。
その意味では、ガニ股や重心が前側外側寄りの歩き方はマインドブロックの一つの形態だと考えられるということになります。ガニ股が気になっているけど、「自分はマインドブロックはない」思っていたあなたは少し驚かれたかも知れませんね。
例としてガニ股歩きをもう少し詳しく見てみましょう。
ガニ股という歩き方を詳しく見ると?
筆者は東洋医学である鍼灸を専門に鍼灸整骨院の院長をしています。ガニ股歩きもきっかけになって腰や、膝・股関節などを痛めて来院される患者さんも少なくありません。そのような患者さんに質問すると興味深いことが分かります。
それはガニ股歩きをされている多くの方は「一生懸命、足を前に出そう」として歩いていると仰います。でも運動学的に考えれば、足が前に動いている間というのは足は空中にあるので、足を前に出すことに一生懸命になっても身体を前に進めることにあまり役に立ってはいないのです。
だからこそ一生懸命歩こうとしているのに思うように身体が前に進まない状態になってしまうのですね。
この事実もまたマインドブロックの一つの現れと言えそうです。この状態を解消するためにはどうすれば良いのでしょう。
ガニ股歩きというマインドブロックの解消法
歩くときに実際に身体が前に進む段階というのは、実は足を前に出す段階ではなく、地面につけた足を後ろに送り出す段階です。効率良く前進したいのなら、足または脚を後ろに送ることを意識するのが歩くという運動のメカニズムの本質なのです。
あなたは太ももの前側に付いている大腿四頭筋という筋肉の名前を聞いたことはありますか?
全身で一番大きい筋肉ということで重要視されている筋肉です。しかしこの大腿四頭筋は太ももとスネを前に振り出す筋肉なので、脚を後ろに送って身体を前に進める際には役に立ちません。脚を後方に送り出そうとするなら太ももの前側ではなく後ろ側についているハムストリングスのような筋肉を大事にする方が効率的なんですね。
筋肉トレーニング等で大腿四頭筋を収縮させることに一生懸命になり過ぎると、太ももの裏側の筋肉を効率良く使えなくなってしまうことも少なくありません。
つまりガニ股歩きというマインドブロックを解消するためには、大腿四頭筋に頼り過ぎることなく立ったり歩いたりできるようになることがファーストステップだということです。
そうすることで力が抜けているのにバランスが取れて姿勢も良くなり、見映えもスッキリしてきます。
私のセッションを受けている方の一人が、自宅での復習中に太ももの裏側での立ち方が腑に落ちたことがありました。彼女は、その次のセッションで開口一番に叫びました。
「こんなに身体が軽くなるなんて。みんなやれば良いのに」
それは「先生、分かった!ホントだ、全然違う!!」という言葉でした。
彼女は私の言葉をただ学ぶだけでなく、自宅でも復習して立ち方を工夫し続けてくれたのです。そうして太ももの裏側で立てるようになったことをそのような言葉で表現してくれたのです。
そして「こんなに身体が軽くなるなんて。みんなやれば良いのに」とも言ってくれました。これが身体からブロックが外れたときの表現です。
日常からこのような立ち方や歩き方ができていれば、体の疲れ方も少なくなり、体も快適に動きやすくなります。そのような状態なら、感情や精神状態もまるで変わってくることはイメージできると思います。
このように身体のブロックを解消するためには、筋肉からアプローチするのが基本です。重心バランスが整ってくるとさらに筋肉はリラックスさせやすくなります。
この重心バランス×リラクセーションという考え方には注意が必要です。なぜなら筋肉の力を抜くと動けない。そう考える方が多いからです。
筋トレとは違う!心身を最大限活用するための秘訣
実は生理学的事実として、筋肉というのは縮むことと緩むことしかできません。伸筋という言葉もあるので「筋肉は伸びる」と思われている方もいますが、伸筋は関節を含めた運動学的な言葉で、筋肉単体で見た場合には正確ではないのです。
そして生理学的に筋肉を見た場合、「緩む」というのは筋肉を収縮させるための準備状態に当たります。リラクセーションと考えた場合、ただ力を抜くだけでなく筋肉を最大限有効活用させるために準備していると考えていただきたいのです。
さらに「筋力」というと大きい筋肉を収縮させて力を出すイメージになりがちですが、全身をリラックスさせ、重心バランスを整えることで身体は微細なコントロールがしやすくなります。これは、大きい筋肉ではなく細かい筋肉を有効活用できるようになったことを意味します。
つまり重心バランス×リラクセーションという考え方は、ココロと身体を最大限活用しやすくなる秘訣なのです。
無意識の思考パターンとクセや姿勢との関係
身体の些細な癖や姿勢は、私たちの無意識の思考パターンや心のブロックと深く結びついています。ガニ股という歩き方が、気持ちと行動の不一致を象徴しているように、私たちの体は多くのことを語っています。
あなたもこの機会に、自分の体と心のつながりに向き合い、解放される瞬間を体験してみませんか?心身のブロックを解消することで、次のステージへと軽やかに進めるかもしれません。
今こそ、新たな一歩を踏み出しましょう。
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