ウィキペディアタウン。
聞いたことはおありでしょうか?
すでに全国で400回ほども開催されているそうで、ご存知の方も実際に参加された方もいらっしゃるかも知れませんね。
ウィキペディアタウンって何?地域活性化との意外な関係
2025年3月、北海道鷹栖町で、町にちなんだ記事作成を目的としたイベント「ウィキペディアタウン」が開催され、参加してきました。
- 地域の魅力の再発見&発信
- 情報整理や文章作成のスキルアップ
- 参加者同士の交流
様々な効果が考えられますが、今回、主催者である町の教育委員会がテーマに据えたのは「社会教育×観光」でした。
実は、鷹栖町は農業が基幹産業の町。
本当に『何もない』?北海道の田舎に眠る歴史と文化
観光に目が向けられている町ではありません。
国道も鉄道も通過していませんし、道の駅もありません。
なので「観光」という視点が、役場にも町民にも出てきにくいのです。
実は、そんな鷹栖町の歴史や文化を再確認する出来事が2024年にありました。
過去のストーリーが未来を創る—文化財活用の可能性
郷土資料館の所蔵資料が文化庁の登録有形民俗文化財に登録されたのです。
「鷹栖の装蹄用具及び関連資料」
簡単に言えば、郷土資料館に所蔵されている開拓時代に利用された農耕馬関連の資料が国の文化財に登録されたのですね。
とても喜ばしいことではありますが、登録がゴールではありません。
この登録有形民俗文化財をどのように活用していくのか、それが重要です。
でも。
発信力を磨くと観光が変わる?情報発信のスキルアップ
自分のことが一番分かりにくいのと同じで、鷹栖町の魅力を一番実感しにくいのは実は町民自身だったりします。
それでは「この町で文化財が登録されたんだ、へー」とはなっても、それをどのように活用しようかというところまでは到達しにくくなってしまいます。
だからこそ地元の魅力を再発見し、発信していくことは重要です。
ウィキペディアの記事作成の、情報を整理しながら文章を作成していく過程は、そのままパンフ作成等に使えたりもします。
住民にこのようなスキルが根付いて行くことは、長い目で見て産業や観光の育成にも役立つだろう。
主催者はこのような考えを持っていたようです。
どうしても縦割りになりがちな行政のイベント。
社会教育と観光が交わると、地域の魅力はどう変わる?
教育委員会主催だと、歴史や文化財というと「歴史を後世に伝える」といった教育的価値がクローズアップされがちです。
しかし自分たちで歴史や文化財を調べ、町の魅力やストーリーを再確認することで、町民の「自分たちの町は田舎で何もない」なんていう認識が変わるかも知れません。
それらの情報を発信することで町のストーリーや歴史・文化財に関心を持つ人が増えれば、農産物の販売が変わるかも知れませんし、実際に訪れてみたいと思う人だって増えるかも知れません。
その意味で歴史や文化財の活用は、地域の活性化やまちづくりの根底に関わることであり、教育的視点だけでなく産業や観光など様々な分野に関わってきます。
確かに、まちづくりは人づくり。
だからこそ「社会教育×観光」という横の繋がりが見えるテーマだったことは正直言って嬉しい驚きでした。
そしてWikipediaはネット上の百科事典のような位置付けです。
発信は一時的なものじゃない—資産として活用する方法
発信した情報は消えることはありません。
発信すれば発信するだけ、資産として蓄えることができるのです。
そのようは発信媒体はWikipediaだけではありません。
あなたなら、どのような発信媒体で、どのような資産を貯蓄するでしょうか?
実際に作成された記事は?—成果と今後の展望
ちなみに、このとき取り上げられたテーマは、
開拓時代に重要な役割を果たした「内田瀞(うちだきよし)」、
文化財登録された「鷹栖の装蹄用具及び関連資料」と、
それらを収蔵する「鷹栖町郷土資料館」、
プラス鷹栖町名産のトマトジュース「オオカミの桃」です。
でも、Wikipediaの性質上、作成した記事はこれで完成というわけではありません。
編集したり、新しい項目を追加したりできることはたくさんあります。
仲間と一緒に、少しずつ進んでいければと思います。
もし良ければ、私たちが手がけた記事をWikipediaで検索してみてくださいね。
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