2025年2月、北海道鷹栖町で開催された「たかす誕生祭133」にて、鷹栖町の治水の歴史をモチーフにした紙芝居が初披露されました。
この紙芝居は、慶應義塾大学飯盛義徳研究室の「鷹栖町元気プロジェクト」が中心になり、地元出身の漫画家日野あかね先生にご協力いただいて作成されました。そして、私が設立当初から関わっている「オサラッペまちづくり研究会」は、内容の監修という形でお手伝いさせていただいたのです。
同じ日野先生の協力のもと、研究会では2024年に文化庁より登録有形民俗文化財に指定された馬具をテーマにした四コマ漫画を制作し、1年間、2か月に一度のペースで町の広報誌で連載する活動も続けてきました。
実は、私たちは編集経験ゼロの素人集団。
それでも、試行錯誤しながら発信し続けることで気づいたことがあります。
「何もない」なんてことはない〜視点を変えると見えるストーリー
鷹栖町の町民の方々とお話ししていると「何もない」と言われることがよくあります。
しかし、私たちは活動する中で「まだ気づいてないだけ」ということに気がつきました。まだ焦点を当てられておらず、語られてもいない。
鷹栖町の歴史や文化、そして暮らしていた人々のストーリー。
気づくことさえできれば、これらは皆そこにあったのです。町の人たちにとっては「当たり前」すぎることでも、掘り起こしてみれば、その価値の大きさに驚かされることもたくさんありました。
そして改めて考えてみると、これは地域だけでなく「個人」にも当てはまるのではないかと思います。
「当たり前」に隠れている価値〜地域にも人にも物語が眠っている
本業の鍼灸の仕事をしていると「私なんて何も特別なことはない」。そう口にする人に出会った経験は一度や二度ではありません。
でも、そんなことはないはず。
これまでの人生で積み重ねてきた経験や価値観、当たり前にやってきたことの中にこそ、本当はそれぞれのストーリーが眠っているのではないでしょうか?
私たちが紙芝居や四コマ漫画を通じて「町の物語」を掘り起こしたように、個人の中にも、きっと誰かにとって価値のあるストーリーがある。
あなたの発信は伝わってますか?|届けたい相手を明確にする重要性
でも、何かを発信するとき「自分が伝えたいこと」だけを考えてしまうと、相手にはなかなか届かないことがあります。
重要なのは「誰にどんな形で伝えれば届くのか?」を考えること。そしてその結果どうなって欲しいのか、ゴールを明確にすること。
振り返ってみれば、それまでの研究会の活動で、歴史や文化を発信する場は町内の史跡を巡るスタディツアーやフォーラムのような大人向けの発信が多かったのですが、同じ発信方法では関心を持ってくれる子どもは多くないでしょう。
でも小学生や中学生にも鷹栖町の歴史や文化、ストーリーにぜひ関心を持ってもらいたい!
そこで今回は、ターゲットである子どもたちが「楽しみながら学べる形」で鷹栖町の歴史や文化に触れられる紙芝居や四コマ漫画が選ばれたのです。紙芝居や4コマ漫画は一度利用した後、再利用できることも特徴です。
あなたが発信している情報は、ターゲットに最適な形でお届けできているでしょうか?
これまでの発信の理由を振り返る〜情報を資産にする視点を
何かを発信するのは大変な作業です。だからこそ、その背景には必ず「なぜ、それを伝えたいのか?」という理由があるはず。
今ここで、これまでの発信を振り返ってみましょう。
- あなたはなぜその情報を発信したのですか?
- その内容を、誰にどのような形で発信しましたか?
- なぜその媒体でなければならなかったのですか?
- これまでの発信は、後々の「資産」として活用できる形でしたか?
今日は、少し立ち止まって「これまでの自分の発信」を深掘りしてみませんか?
発信の形を変えるだけで、今まで届かなかった人に、今よりもっとあなたの想いが届きやすくなるかも知れませんよ。
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