もしあなたが保険診療を中心に施術を行っている柔道整復師、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師だとしたら、日々の施術で患者さんのために尽力しながらも、施術の制約や収益の限界に悩んでいませんか?
保険診療は、国民皆保険制度の恩恵を受ける患者さんにとってはありがたい存在ですが、施術者としてのあなたにとっては、施術内容や料金の自由度が制限されていることが悩みの種かも知れません。
そんな中で「もっと患者さん一人ひとりに合った施術を提供したい」「自分の施術の価値を正当に評価されたい」と感じることがあるのではないでしょうか。
この記事では、保険診療を中心に行っている施術師の皆さんが、自由診療の魅力に踏み出すためのヒントや成功事例を紹介します。自由診療への移行を検討しているけれど、一歩踏み出せないと感じている方に向けて、実際に自由診療へ移行した成功体験をもとに、そのメリットと具体的な方法についてお伝えしていきます。
施術の自由度、収益性、そして患者さんの満足度の向上。これらすべてを実現できる自由診療の魅力を一緒に探っていきましょう。
自由診療の魅力:収益アップと施術の自由度
保険診療を中心におこなってきた柔道整復師、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師いずれかの施術師にとって、自由診療は興味があってもなかなかスタートしにくい場合もあると思います。
しかし自由診療に切り替えられると様々なメリットがあります。
そのうち特筆すべきなのは施術の自由度、収益性、患者さんの満足度です。
まずは施術の自由度からお話していきますね。
国民皆保険制度の仕組みとその限界
保険診療というのは、国民皆保険という考え方のもとで成立している制度です。
国民皆保険とはぶっちゃけて言えば、日本国内のどの地域でも同じ料金で同じ施術内容を受けられる制度ということになります。
これは地域に関係なく医療の水準を確保するために非常に大切な考え方です。
ではこの健康保険制度を施術内容の視点で捉え直してみましょう。
健康保険での施術内容の制約とその理由
同じ料金で同じ施術内容を受けられるというのは、逆に言えば施術所の特徴を出しにくく謳いにくい制度であるということです。
「保険で施術を受けたいけど、どこに行っても同じことしかやってくれない」と不満を抱えられている患者さんは少なくありません。
しかし国民皆保険に根差した健康保険の制度そのものが、どこでも同じ施術を受けられることを目指している以上、保険診療の範囲内では同じ施術しか受けられないことこそが本質であり大切なのです。
このことを施術者である我々も、そして利用される患者さんももう一度確認しておく必要があります。
自由診療で実現する施術の自由とカスタマイズ
一方で自由診療では、施術の内容を自由に決めることができます。
患者さんの状態に合わせて、異なった施術の内容をご提案できるのです。
逆に言えば、患者さんの状態に合わせた施術内容をご提案できない施術師は自由診療には向いていないとも言えます。
自由診療の課題:必要なスキルと患者対応
患者さんの状態に合わせて、施術内容をご提案するためにはまず患者さんの状態を判断できなくてはいけません。
その上で、複数ある選択肢の中からご提案する施術内容を選び出すというスキルも必要です。
つまり学び続ける意志と覚悟や、患者さんに届けたい、伝えたい強い想いがない施術師には自由診療はお勧めできないということになります。
その部分をクリアできるのであれば自由診療には保険診療にはない魅力があることになります。
患者満足度を高める自由診療の施術法
先ほどもお伝えしたように患者さんの状態に合わせた施術メニューをご提案できます。
患者さんの視点に立てば、丁寧に話を聴いてくれたり自分の体の状態をしっかり確認してくれたという喜びにつながります。
その上で他院とは違うメニューを提案してくれる上に施術を受けられるという満足度の向上にもつながります。
もちろんこのようなカウンセリングや施術をおこなうためには、準備にもお話を伺うのにも施術にも時間がかかります。
自由診療で収益を最大化する方法
保険診療と同じ金額ではやるのは難しいですよね。
自由診療をおこなう施術師には、それだけの想いを持って料金を設定していただきたいと思います。
自分のおこなう施術メニューに誇りを持って、提案し、施術し、患者さんに満足してもらう。
自分はそれだけの価値を提供しているという思いで料金を設定するからこそ、収益性も向上するんですね。
実例紹介:はじめ鍼灸整骨院の成功体験
このブログを執筆している平山はじめは旭川市のはじめ鍼灸整骨院を経営しています。
当院でも、コロナ禍の前までは御多分に洩れず保険診療をしていました。
しかし保険診療は私にはとても苦痛が強いられるものでした。
私自身は柔整と鍼灸マッサージを持っているのですが、中でも鍼灸を専門に学んで来ていたんですね。
施術者の希望と想いが叶う自由診療
さらに獣医師という西洋医学の知識、ならびに開院当時で20年前後続けていた武術的な身体や動きの知識、技術、経験も持っていました。
なので患者さんの話をじっくり伺い、体の状態や姿勢・動き方まで判断して、ツボを選ぶというような施術の仕方を本来は希望していたんです。
しかし柔整にしても鍼灸マッサージにしても、保険診療の範囲内では内容的にも時間的にもそのような施術はできませんでした。
それに事務作業の苦手な私には毎月末の申請業務も非常に重荷でした。
悶々としてる時に始まったのがコロナ禍です。
コロナ禍で見つけた自由診療への転機
皆さんもご経験があるかも知れませんが、患者さんが激減しました。どうせ減っているならと、このタイミングで自由診療への移行を決意したのです。
私にとって自由診療への舵切りは非常に有効でした。
保険診療も自由診療も、患者さんに施術をおこなうという意味では同じです。しかし内情は別物でした。
保険診療をご希望の患者さんは、安く手軽に受けられる施術を求めて来院されます。
施術所間での差を否定する保険診療ですから、私自身の施術を希望されているワケでもないんですね。
施術者目線で見る保険診療と自由診療の違い
一方で自由診療をご希望の患者さんは、はじめ鍼灸整骨院の、そして平山はじめの知識と経験を踏まえた施術サービスを求めてご来院いただけるのです。
筋肉万能主義の世の風潮の中で武術の稽古を続けてきた私には、行いたい施術の方向性や、強く伝えたい想いがありました。
そのような施術の方向性と想いが、自由診療という方針に合致したのです。
結果、院内告知から数ヶ月かけて保険診療の受け入れを完全に停止し、自由診療100%に移行できたのです。
自由診療への移行ステップ:成功の基本戦略
先程もお伝えしましたように、自由診療は学び続けたいという意志や患者さんに伝えたい強い想いをお持ちの方にはお勧めです。
しかし保険診療から自由診療に移行するためには、既存の患者さんをどうするかも考えなくてはなりません。
繰り返しますが保険診療は制度上、基本的にはどこの施術所で受けてもそれほど大差が出るものではありません。
自由診療移行時の既存患者への対応方法
なら保険診療を求めている患者さんは、あなたの施術を求めているワケではないということになります。
他の施術所で施術を受けても問題ないはずなのです。
もしかしたら「いやいや、あの患者さんは自分でないとダメだと言ってくれるんだ」あなたはそう仰るかも知れません。
自由診療で際立つ施術者としての価値
では、もう一度考えてみてください。
その患者さんは、保険診療ではない自由診療のメニューを受けてくれましたか?
もし保険診療しか受けてくれていないというのであれば、残念ですがその患者さんにとっての「あなたでないとダメ」という評価は、保険診療という施術内容の中だけで判断されたあなたの価値だということになります。
あなたが患者さんに届けたいのは保険診療ですか?
それとも、あなたが習得し積み重ね磨いてきた施術ですか?
自由診療を始める前に考えるべきポイント
その施術を通して、あなたはどのような想いを患者さんに発信したいのですか?
その発信したい想いは、あなたにとってどれくらい価値のあるものですか?
改めてあなたはご自分の価値をどのように捉えているのですか?
自由診療をスタートする前に、ぜひもう一度ご自身に問いかけてみてください!
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