あなたは保険診療を中心に施術を行っている柔道整復師、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師でしょうか?
毎日の業務に追われながら「自由診療に移行したら、もっと自分の技術や知識を活かせるのではないか?」と感じることはありませんか?
保険診療の枠内で施術を行うことには、多くの制約がつきものです。施術内容も料金も一律で、どの院でも施術内容はほとんど同じ。そんな中で、あなたが本当に提供したい価値や独自の施術方法を活かすのは難しいものです。
そこで注目されるのが自由診療。
自由診療は、施術内容に制限がなく、患者さん一人ひとりの状態に合わせたカスタマイズが可能です。これにより、患者さんの満足度も飛躍的に向上し、あなた自身の収益性も大きく改善されるでしょう。
この記事では、保険診療から自由診療へのスムーズな移行方法について、具体的なステップと実践法を詳しく解説します。今こそ、自分の施術スタイルを最大限に発揮し、理想の院経営を実現するチャンスです。
ステップ1:現状の評価と自由診療の可能性探求
まずは現在経営されている院の評価からスタートです。
いろいろな方法があるでしょうが、ポイントを絞ってシンプルにお話すれば以下のようになります。
- SWOT分析: 鍼灸整骨院の強み、弱み、機会、脅威を整理する。
- 患者データ分析: 患者層や来院パターンをデータで理解する。
- フィードバックとアンケート: 患者から直接意見を収集する。
- 収益分析: 保険診療と自由診療の収益構造を比較する。
- 内部リソースの評価: スタッフと設備の適合性を確認する。
これらステップを通じて、現状を明確に把握し、自由診療への移行プランを具体的に立案することができます。
特に自由診療への移行の際の強み分析に関しては、SWOT分析だけでは全然弱いと感じています。
是非、これまでの人生を全て棚卸するくらいの気持ちでご自分や自院の強みを発見してください。
これらを踏まえると、自由診療のプランニングは以下のステップで行うことができます。
- 自由診療の目標設定: 目的と具体的な目標を明確にする。
- 市場調査と競合分析: ターゲット市場と競合の状況を把握する。
- 自由診療メニューの決定: 提供するサービスと価格を決定する。
- マーケティングとプロモーション: 効果的なマーケティング戦略を立てる。
- オペレーションとスタッフトレーニング: 適切なオペレーションとスタッフ教育を整える。
- 移行計画の策定: 保険診療から自由診療へのスムーズな移行を計画する。
このプロセスに沿って計画を立てることで、シンプルかつ効果的に自由診療への移行を進めることができます。
ステップ2:改革への準備とチャンスの発見
この段階まで来たら、自由診療への必要な準備を整えましょう。
具体的には、施設、マーケティング、料金設定などですね。
自由診療に適した施設の改装や設備が必要であれば、導入します。
できれば大幅な変更しないで済むメニューの方が導入しやすいとは思います。
自由診療メニューの魅力的な展開
マーケティングとはどのように関心を高め来院を促すかということです。
実は柔整師や鍼灸師、獣医師は、この辺りの知識が不足していると思われる方が少なくありません。私自身もその部類でした。
なのでここではシンプルにお伝えしますね。
まずは、オンラインのマーケティングとオフラインのマーケティングに分けて考えるのが分かりやすいです。
オンラインマーケティングでしたら、ウェブサイトやブログ、SNSの利用法。
オフラインマーケティングでしたら、チラシやポスター、紹介制度なども考えられます。
無料体験やイベントの開催なども効果的です。
ご自身がスタートされる自由診療のメニューに適当なマーケティングやプロモーションをおこなってください。
あなたの価値を伝える自由診療メニューの料金設定
自分の中の大切にしている価値と全く結びつくことのない、例えば流行に乗って新しい自由診療のメニューを作ろうとするとこの料金は他院さんの料金に左右されることになります。
一方で、あなたが大切にしている価値観を伝えるためのメニューであれば、他院さんの料金は全く参考になりません。
競合を気にしない経営を行うためにも、自由診療を取り入れる際にはご自分の価値観とも十分に相談しながらスタートするメニューを選ぶことをお勧めします。
次に保険診療から自由診療に移行する時期の対応について解説していきます。
ステップ3:スムーズな移行への対応準備
まず最優先なのは既存患者さんへの説明です。
これまでのメニューや施術内容とどのように変わるのか。
保険診療と自由診療を併行するのか、時期をみて完全に自由診療だけに一本化するのか。
料金はどうなるのか。
丁寧に説明することが求められます。
私が経営する旭川市のはじめ鍼灸整骨院の場合、時期をみて完全に自由診療のみに移行しました。
ですのでこの時期には保険診療の患者さんと自由診療の患者さんを分けて施術するようにし、丁寧にご希望と意志を伺うようにしました。
急に切り替えるのではなく、数ヶ月の準備期間を設けたんです。
そして自由診療で新規の患者さんの来院を促すためには、保険診療でのマーケティングの方法から考え方を切り替える必要があります。
患者さんとの新たな出会い
何故ならば保険診療を目的に来院される患者さんは、健康保険を利用することで比較的リーズナブルに、そして手軽に施術を受けることを希望されています。
冒頭でもお話したように保険診療を希望される患者さんは、あなたの院のスペシャルな施術を求めてはいないのです。
一方で、あなたが新しくスタートする自由診療のメニューは、あなたが大切にしている価値観を発信しご提案する場になるはずです。
つまり自由診療のメニューを希望してもらうためには、あなたの価値観に共感してもらう必要があるワケです。
大切なことは、手軽でリーズナブルを求める患者さんと、あなたの価値観に共感してくれる患者さんが一致するとは限らないということ。
ならば自由診療のメニューの患者さんを獲得するためには、あなたが大切にしていることは何なのか、あなたが経営する院が何に価値を置いているのか発信し、伝えることが必要だということです。
そのために、先程述べたマーケティングの考え方に戻ることもまた有効です。
自由診療がもたらす未来への輝かしいメリット
自由診療に移行することがメリットを持つのかどうかということに関しては、あなたが何を大切にしたいと考えているかによって大きく変わります。
薄利多売で、患者さんと広く浅く関わりたいという方は自由診療より保険診療の方が向いているかも知れません。
しかし自分が積み重ねてきた知識や技術を利用して患者さんの体のお悩みを軽くするサポートがしたかったり、健康や身体、運動について発信したい強い想いをお持ちの方は違います。広く浅い関わり方が逆にストレスになってしまうようなことも十分考えられます。
このような方の場合、自由診療の方が自分がしたいサポートや発信をしやすい環境を整えやすいかも知れません。
その視点から自由診療の長期的なメリットをまとめてみましょう。
- 自分が発信したい価値観を発信できる環境を整えられること。
- 自分が大切にしている価値観に共感してくれる患者さんにサービスを提供できること。
- 自分の価値に見合うだけの対価をいただけること。
このように考えたときに、あなたが働きやすい環境を構築できるのは保険診療と自由診療のどちらでしょうか?
中長期的な視点で考えていくことも大切です。
是非参考になさってみてください!
コメント